日本SEL研究会の概要

日本SEL研究会
理事長 宮崎 昭

本会は,SEL(Social-Emotional Learning;社会性と情動の学習)の研究・発展・普及に寄与することを目的として2009年10月25日 に設立されました。

SELとは、「情動」の認知と扱い方ならびに他人との共感的な思いやりのある「対人関係」を学習することです。乳幼児から大人まで,人生の様々な出来事に対処するためのSELを基盤とする予防教育プログラムがたくさん開発され実践されています。心理の国家資格である公認心理師の業務にも心の健康に関する知識普及を図ため教育及び情報提供を行うことが規定され,社会的にも予防教育の充実が期待されています。

本会は,エビデンスに基づいたプログラムの構成と科学的な効果の検証を大切にしています。Durlakほか(2011)が行ったメタアナリシス研究では,一定の基準を満たしたSELプログラムは精神的健康や社会的スキルと学力の向上に効果があることが科学的に実証されています。また,Taylorほか(2017)が行った数か月から数年後の予後に関するメタアナリシス研究では,SELプログラムはSEL能力を持続させるだけでなく社会的行動と態度の改善を持続させ,薬物使用や行動と情緒の問題の減少を持続させることが科学的に示されています。

本会の活動としては,学術研究大会の開催,様々なSELプログラムに関する研修会の開催,「SEL研究」(Japanese Journal of Social Emotional Learning)の発行(準備中),国際学校心理学会(ISPA: International School Psychology Association)や日本教育心理学会などの関連学会におけるシンポジウムの開催等を行っています。

本会は,乳幼児の保育や学校教育,あるいは様々な困難のある人の支援をされている方々と共に,SELを基盤とする予防教育の研究と実践の交流を深め、日本におけるSEL研究の発展と普及に貢献したいと考えています。

名 称 日本SEL研究会
設 立 2009年
理事長 宮崎昭(立正大学心理学部 特任教授)
副理事長 松本有貴(徳島文理大学人間生活学部 教授)
事務局 〒680-8550
鳥取市湖山町南4-101
鳥取大学教員養成センター 
石本研究室気付
tel: 0857-31-5094
e-mail: office@j-sel.org