コラム

コミュニティ(Communities)2

 今回は、コミュニティの文化的な風土、「平等」と「公平」について考えます。

 前回まで、特別支援教育における個別の指導計画について解説してきました。そこで求められるひとりひとりの教育ニーズに応じた「合理的配慮」の説明として引用される身長の違う3人の子どもが塀の外から野球観戦する2つのイラストがある図1があります。

 

合理的配慮(平等と公平)

図1 合理的配慮(平等と公平)

(http://theequityline.org/wp/2014/03/12/equity-and-equality-are-not-equal/より引用2014/11/17.  その後削除されています。)

 

 「平等(Equality=SAMENESS)」のイラストでは三人の子どもが同じ高さの台に乗って塀の向こうの野球を見ていますが、一番小さな子供は塀の向こうを見ることができません。「公平(Equity=FAIRNESS)」のイラストでは、背の高い子どもには台はなく、背の低い子どもには1つの台、もっと背の低い子どもには2つの台にのって、野球観戦を公平に体験できています。

 

 実は、(Equality)と(Equity)とならんで(Capitalism:資本主義)と題する三番目のイラストがある続きの図2があるのです。

 

資本主義

図2 資本主義

(http://theequityline.org/wp/2014/03/12/equity-and-equality-are-not-equal/より引用2014/11/17.  その後削除されています。)

 

 一番背の高い子どもが3つの台にのって野球観戦をしていて、背の低い二人の子どもには台がなく野球観戦ができていないのです。解説に、「Capitalism literally means “accumulation of wealth”. On a finite planet, with finite resourses, where do you think it can accumulate to some, if not from all the others?!.」とあります。一番背の高い子どもである「富める1%」を求める情動が資本主義社会にあることを示しています。

 私は、このイラストを見て、「自分は、今、何を求めているのか?」を意識するようになりました。富や利益を求めるのはいけないことではありません。けれども「自分の目先の損得や希望ばかり大切にしていないか?」と振り返るとともに、毎日「この大自然と人々の中で、自分の活動によって、人々との絆を深め、日々の生活の糧を世界の人々と分かち合うことができますように!」と祈っています。コミュニティの信頼と分かち合いが長期的な富を生み出すのです。