プログラム紹介

SEL-8S(セル・ハチエス)プログラム

「学校における8つの社会的能力育成のための社会性と情動の学習」(Social and Emotional Learning of 8 Abilities at School)のことで,日本の学校事情に合わせた授業構成がなされています。


この学習プログラムは,学習面や生徒指導上の特別な教育的ニーズの有無に関係なく,小学1年生~中学3年生のすべての児童生徒が対象となっています。小学校では1・2年生用,3・4年生用,5・6年生用にそれぞれ18の合計54の授業が組まれ,中学校では各学年用にそれぞれ12の合計36の授業が提示されています。各学校では,児童生徒の実情に合わせて,最も教育効果が高まるように教育課程に組み込んで実践することができます。


このプログラムで育成を図るのは,次の8つの社会的能力です:①自己への気づき,②他者への気づき,③自己のコントロール,④対人関係,⑤責任ある意思決定,⑥生活上の問題防止のスキル,⑦人生の重要事態に対処する能力,⑧積極的,貢献的な奉仕活動。このうち,①~⑤は基礎的社会的能力,⑥~⑧は応用的社会的能力と呼ばれています。


これまでの実践研究によって,この学習プログラムの実施による児童生徒の社会的能力や自尊心の向上,器物損壊等の“学校の荒れ”の収束,基礎学力の向上,学習習慣の定着などが確認されています。また,教師との関係性の向上や,児童生徒の“主体的・対話的で深い学び”に向けたコミュニケーション力の育成につながる可能性が,実践した教師のコメントから出されています。


この学習プログラムについては,次の図書(すべてミネルヴァ書房)が発行されています。


  • ①社会性と情動の学習(SEL‐8S)の導入と実践(小泉令三著)
  • ②社会性と情動の学習(SEL‐8S)の進め方―小学校編(小泉令三・山田洋平著)
  • ③社会性と情動の学習(SEL‐8S)の進め方―中学校編(小泉令三・山田洋平著)

①は学習プログラムの基本的な考え方,導入・展開方法,評価方法,日本での実践例とその効果が書かれており,②③には指導案および授業で使用できる学習プリントや教材が掲載されています。また,次のホーム・ページで,授業用資料,アンケートなどの評価用資料,保護者用ワークショップ資料などが無料で提供されています。


http://sel8group.jp/index.html

なお,関連する学習プログラムとして,再犯防止用のSEL-8D,教師用のSEL-8T,幼児用のSEL-8Nなどが開発されています。